ホスピス型住宅「CLASWELL吹田」で、理学療法士(PT)として働く楠本さん。病院で退院支援に携わった経験を経て、現在はご入居者一人ひとりの暮らしに寄り添うリハビリを実践しています。
その原点には、学生時代に人生の転機となる出会いをくれた恩師の存在がありました。そして今、楠本さんが何より大切にしているのは、「聴くこと」を通して、その人らしい暮らしを支えることです。
引退試合に出られなかった学生時代の絶望。自分を救ってくれたPTという存在
楠本さんが理学療法士を目指した原点は、学生時代のほろ苦い経験にありました。当時は、学生生活のすべてをバスケットボールに捧げる日々を送っていたといいます。
「ずっと打ち込んできたバスケットボール部で、大切な時期に大きな怪我をしてしまったんです。最後の引退試合にも出られないかもしれない。
当時の自分にとっては、本当に絶望のような出来事でした。
そんなときに担当してくださった理学療法士の先生が、本当に素晴らしい方だったんです。リハビリに最後まで伴走してくださり、身体だけではなく、心まで支えてもらいました。
その経験が、『自分も誰かを支えられる理学療法士になりたい』と思った原点です」
実は昔から、友人に深刻な悩みや相談を打ち明けられることが多かったという楠本さん。
「人の話をじっくり聞くことは昔から自然にやっていましたし、それが自分の一番の強みなんじゃないかと思うようになりました。
この『聴く力』を一番活かせる仕事は何だろうと考えたときに、人に寄り添いながら支え続ける理学療法士という仕事が、自分にぴったりだと感じたんです」

「病院からホスピスへ」4年目の決断。他は見ずに「ここしかない」と1本勝負
資格取得後は病院で理学療法士としてキャリアをスタート。退院支援を中心に経験を積む中で、4年目を迎えた頃、自身の働き方を見つめ直すようになったといいます。
「病院でのリハビリは、基本的には退院支援をして一区切りです。限られた期間の中で関わることが多く、退院後の暮らしまで見届けることはできません。でも私は、一人の患者様ともっと長く、もっと深く関わりたいという気持ちが強くなっていきました」
そのとき楠本さんが思い描いた次のステージが、ホスピス型住宅でした。
「いくつかの施設を調べましたが、このエリアでホスピス型住宅の理学療法士を募集していたのはCLASWELLだけで、『ここしかない』という気持ちで応募しました」
現在は、2026年5月にオープンしたCLASWELL吹田のオープニングスタッフとして、新しい施設づくりにも携わっています。
立ち上げ当初は、多職種との連携や業務の進め方に戸惑うこともありました。それでも、試行錯誤を重ねながらチームでより良い形をつくり上げる日々を経験し、今では「この環境だからこそできる理学療法がある」と実感しながら、ご入居者一人ひとりと向き合っています。

看護師・介護士には言えない本音。「その他の会話」がもたらす特別な信頼関係
「ホスピス型住宅でリハビリ職を募集している施設は、まだ決して多くありません。でも私は、ホスピス型住宅だからこそ、理学療法士が必要だと感じています」
そう語る楠本さんが、日々実感しているのは「話を聴くこと」の大切さです。
「ここで働くようになって、ご入居者の本音を聞く機会が本当に増えました。例えば、『実はおむつを替えてほしいんだけど……』といった小さなお願いや、誰にも言えずにいた想いを打ち明けてくださることがあります。
普段からケアをしているスタッフには、『忙しそうだから申し訳ない』と遠慮してしまう方でも、少し立場の違うリハビリ職だからこそ、ふと本音を話してくださることがあるんです。
そうした声を受け止め、自分で対応したり、多職種と連携しながらご入居者の希望につなげたりすることも、私たちの大切な役割だと思っています」
楠本さんにとって、ホスピス型住宅でのリハビリとは、身体機能の維持や改善だけを目的とするものではありません。
「『今日も、いい一日だったね』と思える時間を、日常の中にどれだけ増やせるか。それが、私たち理学療法士にできることだと思っています。
そのために、何気ない会話を積み重ねながら信頼関係を築き、その方らしい暮らしを続けられる環境を、多職種と一緒につくっていきたいです」

これからは、ホスピスにおける理学療法士としての専門性をさらに高めるため、終末期リハビリに関する専門資格の取得にも挑戦していきたいと考えています。
「この分野は、まだまだ学べることがたくさんあると思っています。自分にできることを一つずつ増やしながら、知識も技術も磨き続けていきたいです」
CLASWELLでは、看護や介護だけでなく、リハビリ職もチームの重要な一員として、ご入居者一人ひとりの暮らしを支えています。
リハビリ職として専門性を発揮しながら、多職種とともに、その人らしい毎日を支えたい。
そんな想いをお持ちの方は、ぜひ一度CLASWELLへお越しください。





