
大切な親御さまの転院先を考えるとき、真っ先に頭をよぎるのが費用の不安です。
「手厚いケアをお願いしたいけれど、医療費がとんでもない金額になるのでは…」
結論からお伝えすると、ホスピス型住宅で高額療養費制度を活用することで、毎月の医療費を一定の範囲内に抑えることができます。
知らないと損をする制度の仕組みと、事前に済ませておきたい準備について、ご家族の目線で分かりやすく整理していきます。

1. そもそも「高額療養費制度」とは?
高額療養費制度とは、1ヶ月にかかった医療費の自己負担額が、年齢や所得に応じた上限額を超えた場合、その超えた分が払い戻される国の制度です。
【支払いの仕組み】
本制度における上限額は、あくまでもその月に支払う金額の最大値を定めたものです。
もし1ヶ月の診察代や薬代、訪問看護代などの合計が上限額に達しなかった場合には、その月に実際にかかった分の負担額だけをお支払いいただきます。 医療処置が少なかった月にまで無理な負担が発生することはなく、常に実情に合わせたお支払いで済むよう配慮された仕組みです。
【注意点】
本制度の対象となるのは、診察・薬・訪問看護などの医療費のみです。
家賃や管理費、食費、オムツ代、リネン代などは対象外となりますので注意が必要です。
2. 具体的な自己負担の上限額はいくら?
ホスピス型住宅に入居される割合の多い、75歳以上の後期高齢者の方を例に、1ヶ月の具体的な上限額の目安をお伝えします。
一般的な所得の方(1割・2割負担)の場合
現役並みの所得がある方を除けば、月の医療費上限は18,000円で頭打ちになるケースがほとんどです。
「毎日、看護師さんが来てくれるのに?」
「高いお薬を使っても?」
と驚かれるかもしれませんが、1ヶ月の支払いに「これ以上は払わなくていい」という上限が設けられているのがありがたいポイントですよね。
ただし、仕組みとして知っておいていただきたいのが、訪問診療や訪問看護、お薬代などは、それぞれの事業所から個別に請求が届くという点です 。そのため、いったんは各事業所に対して支払いが発生し、一時的に上限を超える立替負担が生じる月もあります。
払い過ぎた分については、約2ヶ月後に払い戻しされますので、最終的な自己負担は上限額に収まります 。ご入居時の面談にて、「最初の数ヶ月はどの程度の立て替えが発生しそうか」の目安も丁寧にご説明しますので、どうぞご安心ください。
現役並み所得者(3割負担)の場合
現役世代と同じくらいの収入がある場合は、所得区分に応じて上限額が80,100円〜となります。
「3割負担だとちょっと高いな…」と感じた方もご安心ください。
治療や療養が長引き、過去12ヶ月以内に3回以上上限額に達した場合は、4回目から上限額がさらに引き下げられます。これを多数回該当と呼び、長期的な療養が必要な方の経済的負担を大きく軽減することが可能になります。

3. 「限度額適用認定証」を必ず入手しましょう
制度を利用するためには、重要な手続きがあります。それが限度額適用認定証の取得です。
通常、高額療養費制度は払い戻される仕組みになっているため、一度窓口で高額な費用を立て替えて支払い、数ヶ月後に差額が戻ってくることになります。
しかし、これでは一時的な家計の負担が大きくなってしまいます。
そのため、事前に「限度額適用認定証」を入手して提示しておくことで、窓口での支払いが最初から上限額だけで済む方法をお伝えします。認定証の発行までは、1週間〜10日ほどかかる場合があるため、入居が決まったタイミングですぐに動きましょう。

4. まだある!費用を抑えるための豆知識
高額療養費制度以外にも、知っておくと得する制度があります。
① 高額介護サービス費
医療費だけでなく、介護保険の自己負担額にも上限があります。1ヶ月に支払った介護サービス費が上限を超えた場合、その分が後から払い戻されます。
② 高額医療・高額介護合算療養費制度
医療費と介護費の両方の支払いが重なり、世帯での年間(8月〜翌7月)の合計額が基準を超えた場合に、さらに追加で払い戻しを受けられる制度です。

③ 医療費控除(確定申告)
1年間(1月〜12月)に支払った医療費が家族合計で10万円を超えた場合、確定申告をすることで所得税の一部が還付され、翌年の住民税も安くなります。
医療費控除の対象には、訪問診療・訪問薬局・訪問歯科・訪問マッサージ・訪問看護の自己負担分も含まれます。ホスピス型住宅での生活ではこれらのサービスを継続的に利用するため、年間の医療費合計が10万円を超えるケースは少なくありません。ぜひ領収書を大切に保管しておきましょう。
また特にホスピス型住宅での生活において重要なのが、オムツ代もこの控除に含められる点です。ただし、その際は医師が発行するおむつ使用証明書が必要です。入居後、提携クリニックの医師に作成を依頼しましょう。

複雑な計算はCLASWELLのスタッフにお任せください
「制度の話は難しくてよくわからない…」と不安に思われるのは、当然のことです。
大切なのは、日本の保険制度をしっかり活用すれば、「ホスピスでの費用がいくらかかるか分からない…」という青天井の怖さはなくなる、ということです。
CLASWELLの相談窓口では、専門の相談員が親御さまの今の状況を詳しく伺いながら、「親御さまの場合は、月々これくらいに収まりますよ」という具体的な数字を一緒にシミュレーションさせていただきます。

「お金のことが心配で、ホスピスは無理かもしれない」とあきらめてしまう前に、まずは一度、実際の数字を見て安心することから始めてみませんか?
ご家族にとって一番無理のない、穏やかなさいごの時間を過ごしていただけるよう、私たちは全力でそのお手伝いをさせていただきます。
※本記事に記載の金額や上限額は、一般的な所得層(75歳以上)をモデルとした目安です。適用条件や還付金額は、世帯の所得状況や自治体によって異なります。詳細は各市区町村の窓口や税務署へお問い合わせください。





