CLASWELL大宮にて、がん専門看護師 / コパン訪問看護ステーション 管理者の田中 雄大さんとディパーチャーズ・ジャパン株式会社 代表取締役木村 光希さんをお招きし、特別講演会を開催いたしました。
「終末期の看護師の役割~看護師の緩和ケアを考える~」と「納棺の儀 実演」をテーマ、当日は、ご入居者やご家族、医療関係者、CLASWELL大宮のスタッフなど約40名に参加していただきました。
終末期における看護について学ぶとともに、「人生のさいごに寄り添うこと」について、改めて考える時間となりました。
「CLASWELLだからできること」を考える機会に
今回の講習会が実現したきっかけは、CLASWELL大宮の看護管理者と、お二人の講師とのご縁でした。
講師としてお迎えしたのは、コパン訪問看護ステーション所属のがん看護専門看護師・田中雄大さんと、ディパーチャーズ・ジャパン株式会社 代表取締役で納棺士の木村光希さん。
今回の講習会には、大きく二つの想いがありました。
一つは、ご家族に、CLASWELLが大切にしている「さいごまで、その人らしく過ごすことに寄り添う姿勢」を、より深く知っていただきたいという想い。
もう一つは、スタッフに「終末期だからこそできる看護やケア」を改めて考えてほしいという想いです。
看護と納棺。それぞれの立場から「その人らしさを、さいごまで大切にすること」を考える。
そんな想いとご縁が重なり、今回の講習会が実現しました。

終末期だからこそできる看護とは
前半の30分は、田中さんによる「終末期の看護師の役割~看護師の緩和ケアを考える~」と題した講義です。

終末期における看護師の役割や緩和ケアについて、具体的な事例を交えながらお話しいただきました。
病院とは異なり、暮らしの場であるホスピスだからこそできることがある。
ご入居者の想いに耳を傾け、その方がどのように過ごしたいのかを一緒に考えること。
ご家族にも寄り添いながら、一人ひとりにとっての「その人らしい時間」を支えていくこと。
講義を通じて、スタッフにとっても「終末期だからこそできる看護とは何か」を改めて考える機会となりました。

「納棺の儀」を通して感じた、さいごまで“その人らしさ”を大切にすること
後半の30分は、木村さんによる「納棺の儀」の実演です。

木村さんは、納棺師として数多くの現場に携わるほか、映画『おくりびと』や『ほどなく、お別れです』などの映像作品で、納棺の所作や儀式の監修にも携わっています。

実演では、普段実際に行われている納棺の儀を、最初から最後まで通して見せていただきました。

納棺の儀が始まると、会場の空気が一変。
衣服を整える手の動き、身体に触れるときの細やかな気遣い、その一つひとつが驚くほど丁寧で、目の前の方を心から大切にしていることが、言葉がなくても伝わってくるようでした。

参加者の皆さんも木村さんの手元から目を離さず、息をのむように、その一つひとつの所作を真剣に見つめていました。

単に「お身体を整える」という言葉だけでは表せないほど、穏やかで、美しく、そして敬意に満ちた時間。
納棺の儀を初めて目にするスタッフにとっても、その丁寧な所作の一つひとつが強く心に残る実演となりました。
中でも印象的だったのが、さいごに身につける衣装についてのお話です。

納棺の儀では、ご本人やご遺族の希望に合わせ、その方らしい衣装でお見送りすることができるそうです。
これまでには、スーツや思い入れのあるお着物をお着せしたこともあるとのこと。
目の前の方への敬意が、一つひとつの所作に表れていた木村さんの「納棺の儀」。
その姿は、CLASWELLが日々のケアの中で大切にしている「さいごまで、その人らしく」にも通じるものでした。
さいごまで、その方らしく過ごしていただくために
今回の講習会で、私たちが特に心に残ったのは、木村さんの一つひとつの所作。
衣服を整えるときも、身体に触れるときも、目の前にいる一人の人に敬意を払い、その方が生きてきた時間そのものを大切にするように、丁寧に手を添えていく。
その姿を見ながら、ケアとは何かを改めて考えさせられました。
人を大切にするということは、特別なことをすることではなく、声のかけ方や触れ方、服の整え方といった、一つひとつの小さな所作に表れるのかもしれません。
そして、それはご入居者が亡くなった瞬間に終わるものでもありません。
どんな服を着たいのか。
誰と、どんな時間を過ごしたいのか。
どんな姿で大切な人に見送られたいのか。
その方がこれまで何を大切に生きてきたのかを知っているからこそ、人生のさいごの時間にも、その人らしさを残すことができる。
だからこそ私たちは、終末期を「できることが少なくなっていく時間」ではなく、その方にとって何が大切なのかを、より深く考える時間として捉えていきたいと思います。
田中さんから学んだ、暮らしの中でその方の想いを支える看護。
そして木村さんから学んだ、人生のさいごまで一人の人として敬意をもって向き合う姿勢。
看護も、介護も、納棺も、立場や役割は違います。
けれど、その根底にあるのはきっと同じです。
目の前の人を、さいごまで「その人」として大切にすること。
今回の学びを、講習会の中だけで終わらせるのではなく、日々の声かけや触れ方、ご本人やご家族との何気ない会話の中にまでつなげていく。
CLASWELLが大切にする「さいごまで、その人らしく」を、言葉だけではなく、一つひとつのケアで表していきたいと思います。






