先日1月18日、CLASWELLにて、心震える特別な時間が流れました。
この日お迎えしたのは、日本フィルハーモニー交響楽団より4名の奏者の皆様。

プロフェッショナルによる弦楽四重奏(バイオリン、ビオラ、チェロ)の調べが、私たちのホームを包み込みました。
実はこの日、1ヶ月以上も前から皆さんが指折り数えて待っていた特別な一日でした。
「若い頃からクラシックが好きだった」
「息子が音楽の道に進んでいてね」
そんな風に、人生の中で音楽を愛してこられたご入居者やご家族にとって、まさに待ち焦がれた瞬間だったのです。

テレビで聞く音楽とは異なる、生演奏だからこそ「心で聴く」贅沢な時間
介護施設での音楽イベントというと、手拍子や合唱で賑やかに盛り上がる光景を想像されるかもしれません。
けれど、この日のCLASWELLの空気は少し違いました。
歌詞カードを用意し、親しみやすい歌謡曲が演奏された時でさえ、会場を支配していたのは、心地よい「静寂」と深い「集中」。
大きな声で歌うでもなく、賑やかに手を叩くでもない。
皆様、ただじっとその音色に耳を傾け、瞳を閉じて味わっていらっしゃいました。

それは決して楽しんでいないのではありません。
「本物の音を、一音たりとも逃さず全身で感じたい」
そんな皆様の無言の敬意が、会場の張り詰めた、けれど温かい空気を作っていたのです。
スマホやテレビから流れる電子音とは違う、弦が震え、空気が揺らぐ「生の振動」。
奏者の息遣いまでもが伝わる距離で、消費する音楽ではなく、心に深く刻まれる音楽として。
その一瞬一瞬を噛み締める皆様の横顔は、とても穏やかで、そして真剣でした。

世代を超え、ただ「家族」でいられる場所として
会場には、小さなお子様連れのご家族の姿も多く見られました。
一般的なコンサートでは未就学児の入場が難しいこともありますが、CLASWELLでは年齢制限を設けていません。
なぜなら、ここは大好きな家族と、かけがえのない時間を共有する場所だからです。
小さなお孫さんが、ご入居者の隣にちょこんと座り、同じメロディに耳を傾ける。
映画『となりのトトロ』の曲がふと流れた瞬間、小さなお子様が楽しそうに口ずさむ。
その愛らしい姿を見て、隣にいるご入居者が、目尻を下げて優しく微笑む。
そこにあったのは、「お見舞い」や「付き添い」という役割を超えた姿でした。
ただ純粋に、「一緒に音楽を楽しむ参加者」としての家族の時間が、そこに流れていました。
静かな演奏の中にあっても、子どもたちの無邪気な存在が浮くことは決してなく、
むしろその場に、柔らかい生活のぬくもりを灯してくれていたように感じます。
施設の中であっても社会から切り離されず、これまでの幸せな家庭生活の続きがある。
ホスピスとは、最期を待つ場所ではなく、こうして家族との新しい思い出を積み重ねていく場所なのだと、
改めて私たちが教えられる光景でした。
知る喜び、触れる感動。音楽を通じて知る、新しい発見
演奏の合間には、和やかな楽器紹介のコーナーも。
「実はこの弓、馬のしっぽの毛を使っているんですよ」
奏者の方がそう紹介されると、「えぇっ!」と会場からは驚きの歓声が上がりました。

「弦楽器をこんなに間近で見るのは初めて」
「楽器は触ったことがないけれど、今日はなんだかワクワクするの」
開始前からパンフレットを大切に握りしめて待っていた方の瞳が、少年のように輝きます。
ご家族と手を取り合いながら聴き入る方、リズムに合わせて静かに体を揺らす方。
それぞれの胸に、それぞれの思い出が去来していたのかもしれません。

最後は、アンコール。
「ぜひまた来てほしい」
「こんな素敵な演奏を、ここで聴けるなんて」
演奏が終わった後も、会場には温かな興奮と、
素晴らしい映画を見終わった後のような豊かな余韻が漂っていました。

耳で聞く、目で楽しむ、そして体全体で振動を感じ、心がホッと明るくなる。
そんな時間をお届けできていたら嬉しいです。
家族で過ごす時間、音楽に向き合う時間、「今」を大切にしているCLASWELLだからこそ作り出せるものを、これからも。
素晴らしい演奏を届けてくださった日本フィルハーモニー交響楽団の皆様、そしてご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。





