私たちは、街中にあり、ご家族が通いやすく、入居者が地域とのつながりが感じられるそんな「ひらかれたホスピス」を創造しています。

2024年2月12日、CLASWELL仙川で「バレンタインコンサート」を開催しました。
このイベントは、地元・桐朋学園の卒業生である音楽家2名が「ぜひ演奏したい」と手を挙げてくださったことから実現し、定期的にお越しいただいています。
今回は「バレンタイン」をテーマに、”愛”を感じる懐かしの楽曲をセレクト。
ただ音楽を届けるだけではなく、人工呼吸器を使用されている方や、ALSで自由に体を動かせない方にも、音楽の力を、刺激を感じてほしい——そんな思いが込められたコンサートでした。
ー13:30 開場
コンサートの時間が近づくと、スタッフがご入居者を一階の多目的スペースへ案内します。
車椅子の方、人工呼吸器をつけた方、体の自由がきかない方も、同じ空間で、一緒に楽しめるように。
ご家族にも一緒に音楽のひとときを味わっていただきたく、CLASWELL仙川では毎回のイベントにご家族をお招きしています。
今回も、お子様からご高齢の方まで、幅広い世代のご家族が集まりました。
そして、スタッフ手作りの歌詞カードを配布。
手元で今日はどんな音楽が聞けるのか、と皆さんのワクワクした表情が印象的でした。


ー14:00 コンサートスタート


演奏が始まり、ピアノの音色とともに歌声が響きます。
「赤いスイートピー」「愛燦燦」——誰もが一度は耳にしたことのある、愛に満ちた名曲の数々。
ご入居者の表情がふわりとほころび、まるで時間が巻き戻ったかのように、懐かしい記憶が蘇るようでした。
口ずさむ方、手拍子を打つ方、指先でリズムを取る方、それぞれの楽しみ方で、音楽を味わっていました。


そしてコンサート終盤。
歌い手がご入居者お一人おひとりの近くへ歩み寄り、目を合わせながら歌を届けます。
そのとき——
ずっと目を瞑っていたAさんが、ゆっくりと目を開けました。
「さっきまで眠っていたのに・・!」ご家族の方が驚きと喜びに涙をこぼします。

まさに「音楽の持つ力」を目の当たりにした瞬間でした。
すべての曲が終わった後、会場には自然と「アンコール!」の声が上がりました。
前列に座っていた方にリクエストを聞くと、返ってきたのは——
「ふるさと」
ピアノの前奏が流れ始めると、会場全体がそれぞれの「ふるさと」に想いを馳せるように、目を閉じる人、涙をぬぐう人がいました。

音楽は、”ただ聴く”だけのものではなく、心を震わせ、記憶を呼び覚ます力がある。
この瞬間、演者と入居者、そしてご家族、スタッフが音楽を通じてひとつになったように感じました。
ー15:00 コンサート終了
アンコールも終わり、入居者の皆さんが部屋へ戻る中、Aさんだけは、まだその場を離れようとしません。
すると演者が歩んでいき、「また会えましたね。嬉しい」と言いながら、Aさんの好きな曲を特別に目の前で演奏してくださいました。

人工呼吸器をつけ、声に出すことは難しいAさんですが、涙ぐみながら手を合わせ、「ありがとう」と伝えてくださいました。

社会や人とのつながりを感じて、病室ではできなかったことや「できたらいいな」と思っていたことを叶えるサポートがしたい。
CLASWELLは、そんな「できたらいいな」を叶えるために、スタッフ一人ひとりが自ら考え、挑戦を続ける場所です。
看護師・介護士として、「ただのお世話」ではなく、一人ひとりの人生に寄り添うケアを一緒にしませんか?
次回のイベントレポートもどうぞお楽しみに!
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